製品開発プロジェクト
危機の中で、新しい技術への挑戦が始まった
2020年、新型コロナウイルス感染症の拡大により、私たちが携わっていた修理や顧客サービス事業も大きな影響を受けました。
市場環境が急速に変化する中で、「今、自分たちにできることは何か」を考え続けた結果、私たちは製品開発という新しい分野へ挑戦することを決断しました。
これらのプロジェクトは、新しい技術を学ぶ機会となっただけでなく、会社が厳しい時期を乗り越えるための重要な取り組みでもありました。
室内消毒AGVプロジェクト
感染拡大への対策が求められていた当時、お客様から室内で自律走行しながら消毒を行うロボットの開発をご依頼いただきました。
私たちは、AGV(無人搬送車)をベースに、薬剤噴霧と紫外線照射を組み合わせた室内消毒ロボットの設計・開発に取り組みました。
プロジェクトでは、外観デザイン、構造設計、CAD設計、制御システムの検討、試作品の製作まで進み、実際にサンプル機の完成に至りました。
市場環境の変化により量産には至りませんでしたが、このプロジェクトを通じて、製品開発の一連の流れを実践的に経験することができました。
上図は、2020年に開発した室内消毒AGVのデザインイメージおよび内部構造設計です。
リチウムバッテリー防爆輸送ケースプロジェクト
次に取り組んだのは、自動車用リチウムバッテリーの輸送・保管を目的とした防爆輸送ケースの開発でした。
製品には、
位置情報管理、
遠隔監視、
異常警報、
耐火・断熱構造、
自動消火、
煙霧フィルターなど、
安全輸送を実現するためのさまざまな機能を組み込みました。
開発は試作品の製作まで進み、大型モデルと小型モデルの2種類を完成させました。
大型モデルはBMW中国向けプロジェクトの最終選考にも進み、実際の製品評価が行われました。
最終的な採用には至りませんでしたが、安全設計やIoT技術を活用した製品開発について、多くの経験を積むことができました。
上図は、開発したリチウムバッテリー防爆輸送ケースの試作品です。
製品開発から、自社設備開発へ
これらの製品開発プロジェクトは、新しい製品を生み出すだけではありませんでした。
私たちはこの経験を通じて、
現場の課題を分析し、
必要な機能を設計し、
試作品を製作し、
改善を繰り返すという製品開発の考え方を身につけました。
その後、この経験は修理現場で使用する専用設備や治具の開発へと発展していきます。
高電圧測定プローブ。
自動耐久試験装置。
防塵クリーニング設備。
3Dプリンターを活用した専用治具。
これらはすべて、市販品では解決できなかった課題に対し、自分たちで設計・製作した設備です。
製品開発で培った設計力や試作技術は、その後のProfoto中国サービスセンターでの設備開発や、現在進めているAHOS(AXION HUB Operation Standard)、Automated Warehouse Projectへと受け継がれています。
現場の課題を、自分たちで形にする
製品開発プロジェクトは、大量生産された製品を生み出すことだけが目的ではありませんでした。
現場には、市販品では解決できない課題があります。
その課題を理解し、
必要なものを自分たちで考え、
設計し、
試作し、
改善を重ねる。
この考え方こそが、現在のAXION HUBの技術基盤となっています。
私たちはこれからも、修理だけではなく、現場に本当に必要とされる設備や仕組みを設計し、より信頼性の高いアフターサービス運営を支えていきます。
Timeline
2019年以前
修理現場向け設備の自社開発
修理・メンテナンス現場で市販品では対応できない課題に対し、専用工具や補助設備を自社で設計・製作。
現場の必要に応じて、自分たちで設備を考え、改善する姿勢がこの時期から始まりました。
↓
2020年
新型コロナウイルス感染拡大
修理や顧客サービス事業が大きな影響を受ける中、新しい事業機会と技術領域を模索。
これまでの設備開発経験を基盤に、顧客向け製品開発へ挑戦しました。
↓
2020年
室内消毒AGVプロジェクト
自律走行、薬剤噴霧、紫外線照射を組み合わせた室内消毒AGVを開発。
設計から試作品製作まで進め、AGV、CAD設計、制御、IoT、製品開発プロセスを実践的に経験しました。
↓
2021年以降
リチウムバッテリー防爆輸送ケース
位置情報管理、遠隔警報、断熱、防爆、自動噴霧、煙霧ろ過などの機能を備えた輸送ケースを開発。
大小2種類の試作品を製作し、大型モデルはBMW中国向け調達プロジェクトの競争入札段階まで進みました。
↓
その後
製品開発の経験を、再び修理現場へ
製品開発を通じて得た構造設計、IoT、試作、外部製造管理などの経験を、修理・メンテナンス用設備の開発へ活用。
専用測定工具、試験装置、クリーニング設備、治具など、現場に合わせた設備開発をさらに進めました。
↓
現在
現場の課題を、設備と仕組みに変える
修理現場から始まった設備開発の考え方は、製品開発プロジェクトを通じて広がり、現在のAHOSやAutomated Warehouse Projectへと受け継がれています。
